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Premium Marché 特選素材 6月は「梅とハチミツ」 Premium Marché 特選素材 6月は「梅とハチミツ」
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6月は「梅とハチミツ」

私たちは「梅の実が熟す頃の雨」を梅雨(つゆ)と呼び、さらには梅干し・梅酒作りといった“梅仕事”を楽しみながら、雨の季節を過ごします。また、梅をはじめとする植物の受粉にはミツバチの存在が欠かせません。2月の梅の開花時期にはミツバチが梅の花を訪れ、5~6月になると、山や畑、さらには街路樹の植え込みや公園の花壇などを飛び回って蜜を集めます。

6月のプレミアムマルシェは「梅とハチミツ」をテーマに、和歌山県・口熊野地方で南高梅(なんこううめ)の有機栽培や昔ながらの梅干作りに取り組む深見梅店と、大阪市・梅田で都市養蜂を行う梅田ミツバチプロジェクトに話を伺いました。

通常3ヵ月のところを1年かけて塩蔵熟成

通常3ヵ月のところを1年かけて塩蔵熟成

梅と塩を交互に入れ貯蔵すると、2週間ほどで“梅酢”が貯まります。水を一切加えていないため、液体の正体は、塩と梅から出たエキスのみ。一般的な梅干し店では梅酢の中で3ヵ月ほど熟成させますが、深見梅店では4倍の1年もの歳月をかけ、しっかりと塩蔵熟成させています。これは、梅にしっかり塩を馴染ませた方が美味しくなるから。たっぷり手間ひまをかけて、創業当時から続く製法を大切に守っているのです。

※このクエン酸やリンゴ酸、ポリフェノールをたっぷり含んだエキスを捨てるのは忍びないと、深見梅店では自社農園産の有機梅から出た梅酢を使用した「農薬を使わない無添加梅酢」も販売しています。

天日干し、そして樽での熟成期間を経てお客様の元へ

天日干し、そして樽での熟成期間を経てお客様の元へ

その後、春と秋の2回に分けて梅の天日干しを行います。これは、しっとりとした梅干し作りに最適な“良い風が吹く”季節であり、夏は日差しが強く梅が日焼けしてしまうからだそう。木のせいろに麻布を敷き、屋内の干場で風や日光の様子をみながら天日干しを行います。「梅干し作りの工程では、梅の香りを楽しめる塩漬けと、梅を干すタイミングを見極めるのが好きですね。プラスチックケースの上で干したこともありますが、理想の肌感が出なかったので、結局昔ながらの製法に戻しています」と話すのは、深見梅店代表の深見優さん。

天日干し、そして樽での熟成期間を経てお客様の元へ

天日干しが終わった梅干しは梅樽に入れられ、さらにおいしくなるよう半年以上の時間をかけて熟成。3年以上熟成させた特別な梅干しでは、梅に含まれるペクチンが溶けだして梅酢がプルプルのゼリー状に変化し“しょっぱ美味しい”一粒を味わうことができます。

また、梅干しのしょっぱさが苦手な方に向け「減塩調味梅干し」も製造。一般的には水や湯に梅を漬けて塩分を抜き調味することが多いですが、深見梅店では水による塩抜きを行わず、化学調味料不使用のオリジナル調味液に漬け、梅の栄養がなるべく残る製法で減塩・調味しています。

口熊野が“オーガニックの梅の郷”になってほしい

口熊野が“オーガニックの梅の郷”になってほしい

70年以上続く梅干専門店の四代目である深見さんが南高梅の有機栽培を始めたのは、2003年頃のこと。周りの多くが梅農家・梅干し業者という環境で生まれ育ち、「みんなとは違う農業がしたい!」と思い立ったのだそう。また、農薬のにおいに違和感を覚え、愛犬が除草剤散布後の場所を散歩して体調を崩した経験もあり、安心・安全な梅を一から作りたいと考えたのだとか。

口熊野が“オーガニックの梅の郷”になってほしい

「無農薬・無肥料で育った有機南高梅は取れ高が少なく、見た目にスス(黒い斑点のこと)もあるので、市場では価格や買い手が付きにくいんです。農薬(消毒)でススの発生を抑えたり洗って薄くしたりも可能ですが、ススは人体に害がないのでそのままにしています。

現在、南高梅における有機梅の割合はわずか1%ほどですし、上富田町でも有機栽培に取り組んでいるのはうちだけ。和歌山県内でも10軒あるかないかですね。深見梅店で使う南高梅も、県内の生産者さんから仕入れる一般栽培の梅と自社農園で栽培した有機梅との比率は8:2と、圧倒的に少ないのが現状です。

口熊野が“オーガニックの梅の郷”になってほしい

ですが、割高でも安心・安全な梅干しが欲しいというお客さんは日本でも増えていますし、有機梅が売れる状況ができれば、口熊野の梅農家が有機栽培に挑戦してくれるかもしれません。また、日本の有機JAS認定は世界でも通用するので、オーガニックやマクロビオティックに関心の高い海外への輸出も、積極的に増やしていきたいですね」。

深見さんに良い“梅仕事用の生梅“の選び方について尋ねたところ、「梅の入ったビニール袋が汗をかいていないかどうか」をチェックして欲しいとのこと。また漬け込んだ後のカビが気になる方は、漬け込む時に梅や瓶を焼酎で消毒し、毎日「おいしくな~れ」と瓶を振ってあげるのがおすすめだそうです。

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